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March 01, 2008
ようやく射した陽が照らす・・・
僕の目は節穴か??
そうじゃない。
よく見えてなかったものが今になって見えてきた。
木々に覆われた森でジメジメした空気の中、眼の奥の絞りを開放して必死で見ていた景色が陽に照らされた。
春の訪れのように。
地面に湿った枯れ葉が折り重なり、その上に所々横たわる倒木や木の枝。
そしてその隙間に潜む小さな生き物たち。
度々何かに足を取られていた僕はその倒木や枝に躓きそこに手をつき、そこに佇む小さな命の存在に気づかぬまま押しつぶしていたようだ。
どんなに目を見開いていても見えなかったものがそこにはあった。
そこら中に押し付けられた無数の足跡。
同じ場所を何度も踏みつけた足跡。
おとなしくじっとしているべき時に何かに焦るがあまり動き回り、転んで、また起き上がり。
今になって、体の所々にある擦り傷が眼に入ったとたん痛みを実感する。
ようやく射した陽が照らす僕と言う一人の人間と目の前の景色。
ただ呆然と立ち尽くし、その状況を認識する作業に没頭している。
やがて、その日差しが温もりを与えてくれるだろう。
湿った地面をゆっくりと乾かしていってくれるだろう。
そして、新たな草木が芽を出し、眠っていた生き物たちが目を覚ましここを行き来するのだろう。
僕は何を焦っていたのか?
瞬きを忘れ見開いていた眼にまぶしく映るこの風景は、僕と言う一人の人間が大きな世界で生きている事を語りかけてくれているようだ。
横には君がいて。そして、振り返った先には僕らと同じように立ち尽くしている人々が。
その先には、ゆっくりと歩いてくる人々が。
それぞれの人生を歩いているんだ。それぞれのペースで。
僕は同じような擦り傷を負った横にいる君の手を取り、互いの傷を撫で合いながら少しずつ歩きはじめる。
僕らのそのしっかりとしたまっすぐな足跡を陽が照らす。
陽が陰る頃、その頃僕らは足を止めて。
また陽がそこを照らすまで佇んでいよう。
思い通りにいかぬ日々を僕はこう例えてみた。
2008年、陽が差している今、僕らはしっかりとした足取りで前に進む。
焦らず一歩ずつ・・・。
投稿者 litfie : March 1, 2008 02:14 PM